2011年12月6日火曜日

練習量

患者さんに「どれぐらい練習をしても良いですか」「痛くても練習して大丈夫ですか」など、練習に関することをよく聞かれます。骨折や靭帯損傷などの外傷や、手術後のリハビリテーションについてはある程度決まりがあり、それにそって復帰していけば問題ありませんが、いわゆる疲労性筋炎や練習が出来る程度の腰痛など、また、原因のはっきりしない痛みなどについては練習量や、復帰に関しての明確な基準というものはありません。個々の選手の体力やチームの方針、競技種目、チームのレベルなど、数え上げればキリのないほど様々な条件があります。的確に指示をするのはなかなか容易ではありません。さらに、痛みの感じ方は、人それぞれですので、それを客観的に評価することも不可能です。また、回復の過程ではある程度の痛みは乗り越えなければいけないことも少なからずありませす。そこで、僕は常々「練習時の痛みは、練習が継続できるのなら、あまり大きな問題ではありません。ただ、毎朝起きたときに傷害部分の痛みを自分自身で評価し、その痛みが前の日の朝の痛みより強くなっていれば、昨日にやったことはオーバーワークなので、今日やる練習量は減らしたほうがいいですよ。もし、痛みが変わったいなかったり、前の日よりましな感じであれば、昨日の練習量は問題ないので、増やして行っても大丈夫です。」と言うようにしています。これは、僕自身の競技生活や、スポーツ医学に携わっての経験から患者さんに話していることでした。

すると、先日送られてきた日本体育協会発行の「指導者のためのスポーツジャーナル:2011冬号」に「鉄人」と言われた、元広島カープんの衣笠氏のインタビュー記事があり、「今日の痛みを忘れるな。明日の痛みが今日の痛みと同じなら野球はできる。痛みが増していれば気をつけろ」というあるドクターの言葉(残念ながら僕ではありません)が彼のコンディショニング維持の支えになったと述べられていました。まさに、僕が普段クリニックで選手たちにかけている言葉と同じで、少し自信がつきました。選手にその判断を委ねるちょっと勝手な言葉のような気もしていましたが、やはり選手として、自分自身のコンディションを評価し、それに対して対処していくことが大事であると再認識しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。